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[遺言]⑤遺言の種類と方式

2017.04.21

民法には、「遺言は、この法律に定める方式に従わなければ、これをすることができない」と規定されています。つまり、民法の規定に従わない遺言書は有効とは認められないということです。

 

民法では普通方式の遺言として、以下の3つを規定しています。なお、普通の反対で特別方式の遺言もありますが、かなり特殊な状況での遺言のためここでは割愛します。

 

自筆証書遺言

遺言者が、遺言内容の全文・日付・氏名を自分で書いた上で押印します。

これらが欠けたものは無効となります。例えば、パソコンで作って印刷するのは無効です。

問題点としては、①法律的に間違いのない文章を作成することはなかなか困難なことや、②保管上の問題(見つからない、偽造変造の恐れ、貸金庫に入れてしまった)があります。

よく筆跡鑑定などで真実性が争われているのが、この遺言書です。

また、遺言執行の際には家庭裁判所で「検認手続」をしなければなりません。

 

秘密証書遺言

遺言者が証人2人以上の立会いの下、署名・押印した遺言書を封書にして公証人に提出します。

この場合は自筆証書遺言と違い、本文は印刷等自筆でなくても構いません。代筆も可能です。

内容を秘密にする分、有効性の問題がありますし、公証役場に原本は保管しないため紛失盗難の恐れはあります。

また、検認手続は必要です。

 

公正証書遺言

証人2人以上の立会いのもと、遺言の内容を公証人に伝え、筆記してもらった上で読み聞かせてもらいます。

その筆記に間違いがないことを確認した上で署名・押印します。

家庭裁判所で検認の手続を経る必要がないので,相続開始後,速やかに遺言の内容を実現することができます。

また、原本が必ず公証役場に保管されるので,遺言書が破棄されたり,隠匿や改ざんをされたりする心配もありません。

公証役場に遺言の検索システムがあるため、遺言が見つからなくなることもありません。

なお,遺言者が病気等のため,公証役場に出向くことが困難な場合には,公証人が遺言者の自宅又は病院等へ出張して遺言書を作成することができます。但し、その場合には公証人費用が高くなります。