[遺言]④遺言の執行
2017.04.20
遺言の内容を実現するための手続きを行う人を遺言執行者といいます。
遺言は執行されなければ意味がありません。遺言執行者を遺言で指定しておけば、その遺言執行者が遺言の内容を実現してくれます。
遺言執行者を指定する方法
1 遺言で直接指定する
2 遺言で第三者に指定をお願いする
なお、遺言執行者が指定されていない時や、遺言執行者が亡くなった場合でも、相続人や受遺者などの利害関係人が請求すれば、家庭裁判所が遺言執行者を選任してくれます。
遺言執行者を指定しないとできないこと
1 相続人の廃除と廃除の取り消し
2 認知
上記2つの事項については必ず遺言執行者が必要になります。内容的にも専門家が関与したほうがいいため、遺言による指定をお勧めします。
遺言執行者になるための資格は
1 破産者
2 未成年者
遺言執行者にはなにも資格は要りませんが、破産者と未成年者はなることが出来ません。
相続人でもなれますが、トラブルの基になることもありますので、専門家を指定しておくことをお勧めします。
遺言執行者を指定するメリット
1 遺言の内容を確実に実現できる
2 遺言の内容を簡易・迅速に実現できる
遺言執行者は相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有ますので、単独で相続手続きを行うことができます。
他の相続人は、手続きを妨げるような行為はできません。また、相続人を代表して手続きができるので、相続人全員から印鑑をもらうなどの手間が省けるので、簡易迅速に遺言内容を実現できます。
遺言執行者の業務内容
1 相続人その他利害関係人への通知
遺言者様が亡くなり、弊社が遺言執行者へ就任したこと、それに伴い相続財産の処分ができなくなることを通知します。
2 相続人の調査
遺言者様の戸籍を出生から死亡まで遡って取得し、相続人を確定し、相続関係説明図を作成します。
3 相続財産調査・管理、財産目録交付
遺言書に明記されている財産の所在を調査します。不動産であれば登記簿謄本、預貯金は通帳などです。
それ以外の物件も徹底的に調査し、財産目録を作成し相続人へ交付します。
遺言などで第三者へ全ての財産を渡すため相続人へ財産を渡すことがなくとも、目録は交付する義務があります。
4 遺言事項の執行
・認知、推定相続人の廃除・取消し、一般財団法人の設立行為
・相続人関係者に遺言の具体的な内容の説明をする
・未成年者の後見人に指定された人に仕事の内容を教える
・遺贈、信託の設定、相続させるという遺言、生命保険金受取人の変更
遺言執行者の報酬
1 遺言書で決める
2 相続人との協議で決める
3 家庭裁判所が決める
報酬は相続財産から支払われます。相続人が支払うわけではありません。
報酬の定め方は規制があるわけではありませんが、基本報酬+財産額の1~3%という定め方が多いようです。
任務の完了
最後に清算書又は報告書を相続人の方に交付して終了となります。