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[相続]⑨相続税について(一般論)

2017.04.18

相続税とは、個人が被相続人から相続などによって財産を取得した場合に、その取得した財産に課される税金のことです。

 

①相続税の申告が必要な人

被相続人から相続などによって「財産を取得した人それぞれの課税価格」(後述する②-③)の合計額が、「遺産に係る基礎控除額」(3000万円+(600万円×法定相続人の数))を超える場合、その財産を取得した人は、相続税の申告をする必要があります。

 

②相続税が課される財産

1.被相続人が亡くなった時点において所有していた財産

土地、建物、株式や公社債などの有価証券、預貯金、現金などのほか、金銭に見積もることができる全ての財産が相続税の課税対象となります。そのため日本国内に所在する財産のほか、日本国外に所在する財産も相続税の課税対象となります。

2.みなし相続財産

 被相続人の死亡に伴い支払われる「生命保険金」や「退職金」などは、相続によって取得したものとみなされ、相続税の課税対象となります。

ただし、「生命保険金」や「退職金」のうち、一定金額までは非課税となります。

一定の金額の計算方法は以下の通りです。

(算式)500万円×法定相続人の数×その相続人が取得した金額の合計額÷相続人全員の取得した金額の合計額

3.被相続人から取得した相続時精算課税適用財産

 被相続人から生前贈与を受け、贈与税の申告の際に相続時精算課税制度を選択していた場合、その財産は相続税の課税対象になります。この場合、相続開始の時の価額ではなく、贈与の時の価額を相続税の課税価格に加算します。

4.被相続人から相続開始前3年以内に取得した暦年課税適用財産

被相続人から相続などによって財産を取得した人が、被相続人が亡くなる前3年以内に被相続人から贈与を受けた財産(上記3.は除く)は、相続税の課税対象となる。この場合、相続開始の時の価額ではなく、贈与の時の価額を相続税の課税価格に加算する。

 

③相続財産の価格から控除できる債務と葬式費用

1.債務

 被相続人の債務は、相続財産の価額から差し引くことができます。差し引くことができる債務には、借入金や未払金などのほか、被相続人が納めなければならなかった税金で、まだ納めていなかった物も含まれます。

2.葬式費用

被相続人の葬式に際して相続人が負担した葬式費用も、相続財産の価額から差し引くことができます。葬式費用とは、お寺などへの支払、葬儀社、タクシー会社などへの支払、お通夜に要した費用などのことです。なお、墓地や墓碑などの購入費用、香典返しの費用や法要に要した費用などは、葬式費用に含まれません。

 

相続税の申告は複雑です。損をしてしまうこともありますので、頼りになる税理士に相談しましょう。