海洋散骨について
2022.09.05
遺言書で海洋散骨を指定できる?
近年人気が高まっている海洋散骨ですが、結論から言うと「遺言書に書くことは出来るが実行してもらえるかはわからない」ということになります。散骨など、葬儀やお墓に関する部分はいわゆる「付言事項」に書くことになりますが、付言事項には法的拘束力がないからです。
海洋散骨は法律違反にならないの?
2022年9月現在、散骨を規制する法律はありません。ただし、遺骨と分からないようにパウダー状に粉骨してから散骨する必要があります。また、海水浴場や漁場・養殖場などの近くで行うのも、風評被害を与えてしまう可能性がありますので望ましくありません。水産業が盛んな自治体等は、条例で海洋散骨を禁止しているところもあります。
このような事情から、海洋散骨は沖合まで船を出して行うのが一般的です。遺族が波打ち際から撒けば良いというものではないので注意です。粉骨をする作業なども遺族に心理的な負担をかけることが予想されますので、事前に信頼できる業者を探しておくことが必要でしょう。
遺された人のことも考えましょう
海洋散骨と遺言書に書くことは簡単ですが、遺された方が一から調べて対応するのは負担になることが考えられます。業者を調べたり、対応してくれる予定の方と生前にお話をしておくのが良いでしょう。
また、全ての遺骨を散骨してしまうと、お墓がありませんので寂しく思う方もいらっしゃいます。一部の遺骨はお墓に入れたり手元供養にしたりするなど、お参りできる形を考えておいても良いかもしれません。
(文責:川上)