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遺言公正証書の作成から不動産売却まで

2021.09.03

ホームページからのお問い合わせで、遺言公正証書の作成のご依頼がございました。遺言作成後には不動産を売却したい希望もお持ちです。

電話は依頼者の姪っ子さんからで、意思能力に若干疑義があるのでまず面談して確認してほしいということで、ご訪問しました。高齢のため、多少怪しい部分はありますが、遺言能力という点でいうと問題ないと判断しました。

公正証書作成の準備は急いでしますが、人生何があるか分からないので、とりあえず自筆で希望の遺言の内容を書いていただくことにしました。手が若干震えて不自由でしたが、約1時間ほど掛かって自筆証書遺言を無事に完成しました。公正証書遺言作成の準備をし、また不動産会社も紹介し、売却活動を始めました。

急ぎ業務に着手し、公正証書作成まであと2日というある日、依頼者の姪っ子さん兼受遺者から電話がありました。「叔母が亡くなりました」。こういった仕事をしていると急に依頼者が亡くなることはままありますが、1週間ほど前にお会いした方が亡くなるのはなんとも遣る瀬無いような気持になります。

遺言書の作成業務がそのまま遺産整理業務になり、姪っ子さんからご依頼いただくことになりました。

遺言書はありますが、自筆のため検認手続きが必要であり、遺言執行者の指定をしていなかったため(したかったのですが長くなるので諦めました)、法定相続人全員から司法書士へ遺贈登記の委任状をもらわないといけません。

裁判所はのんびり屋さんなので、申し立てから3か月後の検認期日を待っていると、今度は「父が亡くなりました」。という連絡が依頼者からあり、まさかの数次相続です。裁判所に連絡し、追加書類で対応してもらい、登記の書類ももらいなおしになります。

最終的には、無事に検認が終わり、遺贈の登記も終わり、不動産売却までお手伝いさせてもらい、業務完了です。