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エンディングノートを書きましょう

2019.04.02

Aさんのケースをみてゆきましょう。

Aさんのケース

Aさん(80代)は独身(結婚歴なし)、兄弟姉妹もなく、親族といえば
いとこが二人おり、なにかにつけて相談相手になってくれていました。
長らく公務員だったので、共済年金が月25万円あり、資産も5千万円以上
ありました。

Aさんが認知症になってからは、いとこ二人とその子供たちがAさんの
世話を続けましたが、認知症が徐々に進み、住んでいた団地の部屋が
ゴミ屋敷となったり、警報機がしばしば鳴るといったことが続いたため、
近隣から苦情が出て、区のおとしより保健福祉センターが法定後見を
申し立てる事態となりました。

 

法定後見人となった司法書士は、いとこたちに

「遺言がなかれば、資産は全部国庫です。
お寺での法要にも、何十万円もかけることはできない」

と伝えてきました。

 

今までAさんの世話を献身的にしてきたいとこたちやその子供たちは
何ももらえないの?
菩提寺とのお付き合いをずっとしてきているのに、お布施もできないの?
Aさんは、自分が入るお墓だからと、今までお寺とのお付き合いも
大事にしてきたのに・・・

 

いとこたちが困り果てていたところにAさんが書いていたエンディング
ノートが見つかり、Aさんやいとこたちの気持ちが報われる可能性が
出てきました。

 

被相続人(今回のケースではAさん)の療養看護に努めた者、生前に
被相続人と親密な交流を続けていたり、遺言こそ残されていなかった
ものの被相続人から「死後は全財産を譲る」と言われていた場合は
「特別縁故者」として認められるケースがあり、財産が分与されます。
特別縁故者であることを家庭裁判所に認定してもらうためには、
必要な手続きがありますが、エンディングノートがあることにより、
なんらかの影響があることは十分考えられます。

 

エンディングノートと遺言書

「エンディングノート」と「遺言書」は違います。
「遺言書」は残せる内容が限られてきますので、「遺言書」に残すことが
難しい内容は、エンディングノートに残しておけば遺言書を補完する役割を
果たしてくれます。エンディングノートは死後すぐに、あるいは生前でも
確認することができます。意識不明の状態になってしまった場合にも内容を
知ることができるので、親族・遺族にとってはありがたいことかもしれません。

また、「遺言書」だけでは、「こんな遺言書は無効だ!」と納得してくれない
人が現れた場合でも、「私はこのように思っている。」「この方にはこんな風に
大変お世話になった。」といった想いを書いた「エンディングノート」があると、
みんなが納得しやすくなるのではないでしょうか。

 

エンディングノート差し上げます

遺言書の作成・相続手続きに関してお問い合わせ下さった方に
エンディングノートを差し上げます。(数に限りがありますのでご了承ください)
是非、お気軽にご連絡くださいませ。