遺言+⑥遺言執行者の権限
2017.11.17
◇遺言執行者の権限
民法上、遺言執行者は想像財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有すると規定されています。
遺言執行者は遺言執行の対象となる相続財産に対して排他的に管理処分権を有することから、遺言執行者がいるときは、相続人は相続財産の管理処分権を失い、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げる行為をすることが出来ません。
判例上、これに反してなされた相続人の処分行為は無効であるとされています。
◇相続財産の管理
遺言執行者は相続財産の存否を調査し、相続財産の引渡しを受け、自らの管理下に置くなどの措置をする必要があります。
もしも第三者等が遺言執行に必要なものを占有している場合にはその引渡しを請求するほか、訴訟提起により遺言執行の実現をすることが出来ます。
◇実務+α
遺言執行者には排他的に相続財産の管理権限が与えられていますが、速やかな遺言執行のためには、そもそもの遺言の内容の確定が肝心です。遺言執行者の権限は強力ですが、その権限の範囲を決めるのは遺言自体であるためです。