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[遺言]⑦遺留分

2017.04.24

遺留分とは、一定の相続人が最低限相続できる財産のことです。

相続人の内、遺留分を持っているのは、配偶者・子供・親です。兄弟姉妹にはありません。

法律に詳しい方は、兄弟姉妹には扶養義務はあるのに遺留分はないのかと思われるかもしれませんが、そこまでは必要ないという立法者の絶妙な判断です。

 

遺留分を侵害している場合は、侵害を受けた相続人からの請求によって返さなければいけません。

逆にいえば、請求がなければ返す必要はありません。

つまり、遺留分を侵害している遺言は最初から無効になるわけではなく、遺留分を返すように請求されて初めて、遡って無効になるということです。

実際、遺留分を侵害する遺言を作成される方はたくさんいらっしゃいます。

日本では財産の半分以上が不動産のため分けにくく、長男が自宅等不動産を相続するとすると遺留分を犯してしまうことがよくあるためです。

その場合でも、きちんと遺言に事情と気持ちを書いておくことで、争わずに済むことが多々あります。

 

 

遺留分の割合

遺言者の財産のうち、一定の相続人に遺さなければならない割合を遺留分といいますが、遺留分の権利者とその割合は次のように計算します。

 

まずは総体的遺留分といって、全体の内の何割が遺留分かを計算します

1.直系尊属(親)だけが相続人である場合は被相続人の財産の1/3

2.その他の場合(配偶者、子供がいる)は被相続人の財産の1/2

 

次に個別に各相続人の遺留分がどれだけあるかを計算します。といっても上に出てきた相対的遺留分の2分の1か3分の1を各相続人の法定相続分に掛けるだけです。図にすると次のようになります。

 

法定相続人 全体の遺留分 相続人 法定相続分 遺留分
配偶者のみ 1/2 配偶者 1/2
配偶者と

子供2人

1/2 配偶者 1/2 1/4
子供 1/4ずつ 1/8ずつ
子供2人 1/2 子供 1/2ずつ 1/4ずつ
配偶者と

父母

1/2 配偶者 2/3 1/3
父母 1/6ずつ 1/12ずつ
配偶者と

兄弟2人

1/2 配偶者 3/4 1/2
兄弟 1/8ずつ なし
父 母 1/3 父母 1/2ずつ 1/6ずつ

 

実際に金額がいくらになるかは、計算が少々複雑になりますので、あくまで遺留分を侵害するかどうかの目安までになります。

 

 

遺留分を侵害されたら

 

遺留分が侵害されても、相続人が遺言どおりの配分に納得するならば、特に問題はありません。

遺留分を侵害された人は、遺留分に基づく減殺請求をする必要があります。

遺留分減殺の請求権は、遺留分権利者が相続開始および減殺すべき贈与または遺贈があったことを知ったときから1年、または相続開始のときから10年経過したときも時効によって消減します。