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[相続]⑦相続人に判断能力がない場合

2017.04.17

遺産分割は、被相続人の財産の共同相続人による共有状態を解消して具体的に分割する財産契約であり、相続人の中に精神上の障害により判断能力を欠く常況(簡単にいうと認知症のことです)にある者がいて、遺産分割協議ができないときは、家庭裁判所に成年後見開始の申立てをし、選任させれた成年後見人と遺産分割協議をします。

判断能力がない者と協議してもその協議は無効になってしまいます。

認知症も程度により様々で、判断能力を欠く常況にある者については後見開始、著しく不十分である者については保佐開始、不十分である者については補助開始の審判を求めます。

保佐人及び補助人には原則として同意権しかないので、別途家庭裁判所から代理権を与えられない限り遺産分割を本人に代わって行うことはできません。

また成年後見人と成年被後見人の間で利益が相反する場合には、成年後見人のために特別代理人の選任を家庭裁判所に申し立てる必要があります。

このように相続人の中に判断能力がない人がいる場合は手続きが大変煩雑になってしまうため、遺言を作成しておくと相続手続きがスムーズに行えます。