[相続]①相続人と相続分
2017.04.04
相続とは、自然人の財産法上の地位を、その者の死後に、法律及び死亡者の最終意思の効果として、特定の者に承継させることをいいます。相続は死亡により開始します(民法第882粂)。相続が開始した場合、被相続人が遺言を残していないと法律で定められた人が相続人となります。そして、それぞれの相続人が財産をどれくらいの割合で相続するかも一応目安として法定されており、これを法定相続分といいます。相続財産には債権のみならず債務も含まれ、相続人は原則として被相続人の権利・義務の両方を承継します。
民法で法定されている相続分は以下のようになります。
相続順位 | 相続人 | 相続分 |
第1順位 | 配偶者 | 2分の1 |
子 | 2分の1 | |
第2順位 | 配偶者 | 3分の2 |
直系尊属 | 3分の1 | |
第3順位 | 配偶者 | 4分の3 |
兄弟姉妹 | 4分の1 |
①配偶者は必ず相続人となります。配偶者しか相続人がいない場合はすべての相続分を配偶者が取得します。
②子供がいる場合は、配偶者が2分の1、子供が2分の1となります。
子供が二人以上いる場合は2分の1をさらに子供の人数で案分します。
③子供がいない場合は、配偶者が3分の2、直系の尊属(父母、父母もいない場合は祖父母)が3分の1となります。
④子供、直系の尊属がいない場合は、配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1となります。
子、直系尊属、兄弟姉妹が複数ある場合の相続分は、各自等しいのが原則ですが、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹(半血兄弟姉妹)の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹(半血兄弟姉妹)の相続分の2分の1になります。(民法第900条第4号)
なお、かつて民法第900条第4号だだし書には、非嫡出子の相続分は嫡出子の相続分の2分の1とする旨の規定がありましたが、平成25年9月4日判決にて、当該規定は遅くとも平成13年7月当時において憲法第14条第1項に違反していた、との判断がなされました。これを受けて、当該規定は平成25年12月11日施行の民法一部改正により削除されました。