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前払い金のない死後事務委任契約

2019.04.15


HPからお問い合わせ頂いたお客様です。

「突然の事故死などに備えて、前払い金のない死後事務委任契約というのは
可能ですか?」

 

結論から申しますと、前払い金のない死後事務委任契約を結ぶことは可能です。
しかし、実際に相続が発生した際にお金を預かっていないと、すぐに業務に
とりかかれませんので、通常は前払い金を預かり契約を結びます。

というのも、預金者が亡くなった場合,預金口座は凍結され引き出すことが
できなくなります。死後事務委任契約を結んでいても、銀行等では相続のトラブルを
回避するために、相続人の希望に関わらず、預金がある口座は強制的に凍結し、
払い出しには応じません。(口座凍結には法的根拠はありませんが、相続トラブル
回避のための銀行独自のルールです。)

預金を引き出すためには、金融機関から相続人全員を確定するための戸籍謄本類,
相続人全員の署名押印がある銀行所定の用紙,相続人全員の印鑑証明などの提出を
求められるため,預金引出までに労力と時間が必要となります。
死亡直後の時期には,入院費の精算,葬式代など現金での支払いが必要な場面も
多く,預金がすぐに引き出せないと不都合な場合が多々あります。

 

ですが、どうしても前払い金のない死後事務委任契約を結びたいということで
あれば、前払い金に相当する少額の保険(積み立てではなく一時払いの保険)に
入り、受取人を死後事務の受任者にしておくことをお勧めします。
こうしておくと、後から受取人を変更することも自由にできます。

 

このような死後事務委任契約に関する疑問やお困りごとがありましたら、
是非弊所にご相談ください。